2022/08/31 20:52


「自分の髪、好きですか?」
こう問われて「はい」と即答できる方は少ないかもしれません。

「自分の髪、大切にしていますか?」
これも「はい」と答えるのが、難しい問いかもしれません。

「髪」は、毎日、目にする、とても身近なもの。
ただ、身近で、あって「当たり前」なものほど、大切にするのが難しいものです。

実際に、本屋さんの「美容」コーナーに行くと、
メイクやお肌のケア、ボディケアの本はたくさんありますが、
「髪」に関する本は、本の少しあるだけ……

顔のすぐ近く、いつも目に入る場所にあるはずなのに、
髪は「盲点」になりやすい気がするのです。

だけど、私たちはこう考えます。

「自分の髪を大切にできる人は、本当の意味で自分を大切にできる人であり、他者も大切にできる人である」

だからこそ、髪を大切にケアして欲しいと思っているわけですが、
このように考える理由を、いくつかの視点からご紹介したいと思います。

髪を大切にしたい理由1:「髪」が印象を左右する

まずは、とても現実的な視点として、
髪は、私たちの第一印象を大きく左右します
主な理由は2つ。


・表面積が大きいので目が行きやすい
現実的な話として、初対面の方は「見た目」で印象を判断するのではないでしょうか。
体系、服装、雰囲気など、いろんな要素が複合的に影響しているとは思いますが、
何と言っても大きな影響を与えるのは「顔」。
そして、顔のまわりにある「髪」も、人の印象を左右します。

黒くて、艶やかなストレートヘアからは、「凛とした印象を受けるかもしれませんし、
軽やかなショートヘアからは、「爽やかさ」や「アクティブ」な印象をイメージします。

毛髪診断士の元井里奈さんは、インタビューのなかで次のように話しています。

人の第一印象の7〜8割は『髪型で決まる』と言われています。
 なぜなら、髪は頭部の大部分を占め、真っ先に視界に入るから。
 髪の状態は、採用面接の結果にも影響を及ぼすというデータもあるんですよ」

リモートワークが進み、オンラインMTGが増えると、「髪」はより大きく印象を左右するようになります。
画面に映るのがバストアップだと、髪の占める割合はより大きくなり、その分、人の印象に残りやすくなるのです。


・ケアの質によって、差が出やすい
スキンケアやメイクに比べると、髪のケアは後回しにされる方が多いものです。
ただ、だからこそ「差」が出やすいポイントだといえるでしょう。

特に、年齢を重ねると、嫌が応でも「髪」にそれまでの人生があらわれてきます
ダメージが出やすいケアをしてきた方は、パサつきやツヤのなさが目立つようになり、
人によっては薄毛や白髪に悩まされることもあるでしょう。

Invest in your hair. It is the crown you never take off.
(髪に投資をしなさい。それは、脱ぐことのない冠なのだから)

英語の名言でこのようなものがあるのですが、
年齢を重ねたときこそ、自分が積み重ねてきたものが
「髪」という名の「冠」になって明らかになってくるのかもしれません。

髪を大切にしたい理由2:髪は切っても痛くないけれど、「あって当たり前」のものではない。

たとえば家具の角に足の小指をぶつけるまで「小指」を認識できないように、
「髪」も「痛む」までは、その大切さに気づきづらい存在かもしれません。

でも、「髪」はなかなか「痛み」を教えてくれません。
小指であればブツければ「痛み」に気づきますが、髪は切っても痛くありません。

だけど、そうやって「痛み」が感じられない分、
髪は「あって当たり前」だと思いやすいし、
何なら「自分の好きに扱ってもいいもの」だと考えやすいのかもしれません。

でも、髪があるのは、決して当たり前ではありません

KAMI.llcの活動をとおして、脱毛症の方のお話を聞く機会がありました。

その方は、何の前触れもなく、ある時突然、髪がぬけはじめたといいます。
しかも「原因不明」。
今の医療では完治する方法が見つかっておらず、
ウィッグをつけることを勧められたそうです。

「髪がぬけて、はじめて気がついたのですが、
 私たちは、日々、髪があるのが当たり前だと思っているし、
 髪も頭皮も傷めつけているんですよね。
 染めたり、パーマをしたり……私も色々やってきました。

 ”あるのが当たり前”だと思って生活していたけれど、
 なくす体験をしてはじめて”髪が当たり前にあることのありがたさ”に気づきました

このように話してくれました。

ここまで極端なケースは少ないと思うかもしれませんが、

女性の脱毛や薄毛は、確実に増えています


佳秀工業株式会社が2018年に40〜50代の女性を対象に行った調査によると、

髪の悩みがあると答えた方の割合は7割、そしてその3割が「薄毛」。



画像引用:「女性約3人に1人が「薄毛」で悩んているという結果に!?「髪もファッションの一部」とされる現代、女性を悩ませる深刻な問題が明らかに。【女性の薄毛に関する意識調査】


若い頃は、親がいて当たり前。
でも、それは幻であることーー
時に厄介な存在でもある親が、いつかはいなくなる存在であることを、
歳を重ねるなかで気づきはじめます。

髪だって、あって当たり前のものではない。

なくなる「痛み」を経験する前に、

髪の声に少しでも耳を傾けてみてほしいと願うわけです。



髪を大切にしたい理由3:髪を大切にできる人は、自分を大切にできる人〜ヘアケアとセルフ・コンパッション〜

「セルフ・コンパッション」という言葉をご存知ですか?
「コンパッション」は「思いやり」や「慈悲」と訳されることが多いのですが、
仏教指導者のジョアン・パリファックス老師は、著書のなかで次のような言葉を与えていました。

「人が生まれつき持つ、自分や相手を深く理解し、役に立ちたいという純粋な思い。
 自分自身や相手と、共にいる力」

このニュアンスを残すため、あえてカタカナの「コンパッション」として書きますが、
コンパッションは、誰もが生まれながたにもっているものです。

誰かを愛し、大切にし、未来世代のために、地球環境のために、
少しでも何かをしたいと望む想いの奥底には、
きっと、あなたの「コンパッション」があるのかもしれません。



でも、物事には順番があると思うのです。

誰かのために、未来世代のために、地球環境のために、
少しでも役にたつことをしたいのであれば、
まず、自分自身に「コンパッション」を向けることが大切だーー
というのが「セルフ・コンパッション」の大雑把な考え方です。
(もっとしっかり知りたい方は、こちらの本がおすすめです)

自分自身に思いやりや慈悲、慈しみ、労わりを向けること。
これは、簡単なようで、実は難しいことだったりします。

特に、日ごろから「誰かのために、世界のために、未来のために」と
忙しく動きまわるKAMI.llcのお客さまたちは、
自然と意識が、外の世界へと向かってしまうのではないでしょうか。

でも、そんなみなさまにこそ、この言葉をお贈りします。
多くの著作をもつアメリカの教育者、PJ.パーマーの言葉です。

「セルフケアをすることは、自己中心的な行為ではありません。
 これは自分というギフトに対する義務であり、
 その大切さを周りにも分け与えることが私の使命なのです」

特に、「髪」は、切っても「痛み」さえ感じない、
身体のなかでも後回しにされがちな部位。
そんな盲点になりがちな「髪」に目を向けられる方であれば、
自分自身をまるごと受けとめて、
労わりをもって接することができるでしょう。

そうやって自分自身が満たされたとき、
まわりにいる人たちに対する「コンパッション」が
自然と溢れ出すのではないでしょうか。



「髪」を大切にすることから、思いやりと慈悲の連鎖がつながる社会が生まれていく……
(しかも、みんなの髪が艶やかで美しい!)
そんな未来をイメージしながら、もう少しだけ続けます。

髪を大切にしたい理由4:髪は「神」と自分自身をつなぐもの? 

そもそも「髪」はなぜ「かみ」と言われるのでしょうか。

「髪」が「かみ」という名で呼ばれるようになったのは、古代のこと。
髪の文化史』(荒俣宏著)には、次のように書かれています。

一般に日本人は、天上に神がいる、と考えたので、上をあらわすカミという語を神の意味にも用いた。
当然、人体に宿る神、すなわち魂もまた、上にある毛髪に住まうと信じるようになった。



細かくみていくと、神と髪ではミの発音が違ったらしいのですが、
平安時代以後は、発音の区別がなくなったので、
「上=髪=神」となっても不思議ではない、と荒俣氏は発想しています。

さらに「髪と神が等しいという発想は、世界中のいたるところに見受けられる」とのこと。

太陽は、地上に生命をはぐくむ大きな自然のエネルギー。
このエネルギーは、太陽から発する光の筋によって、地上に送りとどけられる。
古代人は、この光線を「太陽の髪の毛」と考えた。
したがって、太陽は「光り輝く長い髪をもち、長いひげを生やした神」としてイメージ化される。

そんな影響もあって、太陽神とされるギリシア神話のアポロン、
インド神話のアグニなどは、長い髪をのばした神の姿をとっているとか。

このように「髪」は、古代から「神」、別の言い方をすると
人知を超えた大いなるもの、自然、聖なる力の象徴として捉えられていました。

こうした伝統は、私たちの身近にもあります。
フラダンスをしている方の髪が長いのは、
「髪には霊力(マナ)が宿る」という言い伝えがあるためだと言われますし、
日本でも、神社の巫女さんの募集要項に、
「黒髪(ヘアカラー等を行っていない)の長髪」
と今でも書かれることもあります。
(黒髪の長髪が、神に仕えるのに相応しいと考えられているのかもしれません)



ここまで同じような伝統が、各地で見られるのは、偶然でしょうか。
偶然にしては、出来過ぎているような気がしてなりません。

髪は、その人の「魂」そのもの、「聖なる力」が宿る場所。
大いなるものと、自分の心、身体をつなぐ場所。

そうした視点で見てみると「髪」との付き合い方が変わってくるのではないでしょうか。

髪を大切にすることは、自分を大切にすること。
そして、自分を大切にすることができる人が、他者だけではなく、神までもを大切にできる。

私は、このように感じているのですが、
みなさまは、いかがでしょうか?

ぜひ、ご自分なりの「髪」観(髪をどのように捉えるか、髪とどのように付き合うか)を、
考えてみてください。

さいごに:大切な髪だからこそ「自然」のケアをしたい

ちなみに、、、
山伏にあこがれる私にとって
「自分の髪に、真摯に向き合って、大切にケアすること」は、
もはや「修行」のひとつだと感じています。

髪を大切にすることは、「神との対話」であり「祈り」でもある。
そして、神としっかり向き合うために「自然」に沿ったケアをしたい
そのように感じています。

だからでしょうか。
ヘナを髪に塗り、置いておく時間は、とても心地よく、幸せな時間。
そして、ヘナを施した後は、まるで滝行の後のように禊がれたような爽やかさがあるのです。


ちなみに、余談ですが、ヘナは聖なる植物としても知られ、
「コフェル」という名で旧約聖書にも登場します。
ノアの方舟の強度を増すために塗ったのがヘナだとか。
他にも、ヘナに関する逸話は、世界各地で事欠きません。

(例)
・クレオパトラが使っていた
・ミイラに塗られた
・「メヘンディ」として、今でも魔除けとして用いられている 等



長くなりましたが、、、
髪を大切にケアする際の、とっておきのパートナーが自然のヘナ
自分を労わるサポーターとして、ぜひご活用ください!

     
(粉末ヘナのほか、eco-vedaのシャンプー・トリートメントには「ヘナ」が配合されています)